強飯式


強飯式

【ごうはんしき】

【習俗】


 

 昔、田植えの日には初聟(婿)にこの草の広葉の上に飯を山盛りとし、しきりにせめながら食べさせる。初嫁には、草の細茎(クジャクシダ)のやわらかいところを折って添え、その箸で食べろと大勢の早乙女に勧められる。

困ってしまい、手を合わせて謝ると、それでは代わりに酒を飲めとたくさん飲ませられる。っして酔った二人を野原に寝かせて、みなは家に帰ってゆく、これを田植えの祝としたが、今はこのような風習はなく、行き交う人に泥苗を投げつけるのを祝うと言っている。《おがらの滝》

 

 現在ではほぼ見られなくなった風習だが、日光山輪王寺(栃木県日光市)は今も強飯式が行われており、が三升入りの大椀を持って「喰え喰え」と責める様子は『日光責め』とまでいわれる。

 


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◆参考書籍


最終更新:2024/08/25

【菅江 真澄 (著), 内田 武志 (著), 宮本 常一 (著)/平凡社/東洋文庫】