【いたこ】
【信仰】
『梓巫女』ともいう。
一般にはゴミソ、モノオシ、イヂコとも呼ばれた。
主に東北地方に多く存在した巫女。
葬儀や祭時にて祈祷や占時を行う。
中でも死者を降霊させ遺族と語らう託宣『口寄せ(ナナクラオロシともいう)』は有名。
禰宜でも僧侶でもなく、神仏習合を体現したような存在で庶民の信仰を得ていた。
生来より全盲・弱視の女性が担い手とされたが、これは社会的ハンデを背負った人への救済措置でもあったのではないか。
イタコの祭礼は恐山と久渡寺(弘前市)が有名だが、下北の地蔵講とオシラ信仰が結びついたのは明治以降であるという。
道具は数珠、梓の木で作った弓(梓弓)を鳴らしながら占いを行う。
秋田ではエンチコ、ザトカカとも呼ばれる。
柳田國男はイタコは『市子』であるとし、古い時代の歩き巫女から来ているとした(巫女考)。
恐山
菅江真澄の記録
真澄はイタコ信仰に大きく興味を持って旅をしていた。
寛政5年(1793)、恐山にて。
声を上げて遺族が亡者を弔う『地蔵会』を見学している。イタコの原型か。
恐山の全景を図絵に描いた。
《奥のうらうら》
厳密には真澄の恐山の日記にイタコに関する記述は書かれてない。
これについては、下北の地蔵講とオシラ信仰が結びついたのは明治以降であるためと思われる。
関連アーカイブ
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◆参考文献
- 国立国会図書館デジタルコレクション
- 菅江真澄遊覧記 第1、3巻/菅江真澄 内田武志・宮本常一編著
- 菅江真澄読本/田口昌樹著
- 河辺町史
最終更新:2024/07/21
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