たいへいざんみよしじんじゃぼんでんさい(けんかぼんでん)
秋田市広面赤沼
最終更新:2024/09/08
◆祭事データ
- 祭日:1月17日
- 形態:ぼんでん奉納
- 巡行:広面、赤沼、桜、下北手、木口、蛇野、他市内から
- 人員:各町内会、企業、警察など多数
- 奉納社:太平山三吉神社里宮
秋田県内、とりわけ県南の地方では『ぼんでん(梵天)』とい大きな幣束を社殿に奉納する行事が盛んに行われている。
例祭当日は、早朝6時に里宮で神事。
各町内がぼんでんを持って町内を一巡し集落を祓い清めた後、神社に奉納する。
太平山三吉神社で祀られている三吉大神は勝負事に強い神様といわれ、その力にあやかるべくと梵天祭ではとくに苛烈な揉み合い、競い合いが見られる。その様子から『ケンカ梵天』とも呼ばれた。
実際に明治から昭和の中頃の新聞を紐解いても若者同士、あるいは配備された警官とのケンカが絶えなかったと記事にある。
⊞ 一例
・明治27年(1894)2月20日
太平山の山開きはいつも喧嘩が絶えない。一昨日も泉村と手形村の若者とが喧嘩して数名のケガ人がでた。
・明治34年(1901)3月8日
昨日は木曽石神社の山開きだった。
午前8時頃梵天奉納が繰り出し、はじめは蛇野・川尻・牛島・柳田・桜・谷内佐渡という順であったが、先を争い喧嘩になって大勢拘引された。
・昭和6年(1931)3月5日
5日の梵天奉納で喧嘩さわぎ。3、4人が負傷した。
《引用:秋田魁新報 秋田県立博物館企画展『山と生きる』より》
祭りに参加するのは男性のみで、ぼんでんの装飾は地域によって定まっている。
最盛期に100本近いぼんでんが奉納されたが、現在でも毎年70本近く奉納され、県内のぼんでん行事でも奉納数は随一である。
⊞ 三吉節
わたしゃ太平(おいだら)三吉のこども 人に押し負け 大きらい
今日はめでたい 三吉のまつり ジョヤサジョヤサの 人の波
そろたそろたよ 若い衆がそろた 稲の出穂より まだそろた
太平山の一の鳥居に かわずが鳴いた 明日の天気は晴れとなる
伊勢へ七度 高野へ八度 出羽に三吉に 月参り
⊞ こども梵天
ぼんでんの大きさは通常のものと同じ。
地元の広面小学校では3年生になると郷土学習の一環として祭りに参加する。
また祭りについて理解を深めるため三吉神社里宮にて講習が行われる。
🎦 その他動画
🎦 なまはげ郷神楽
- 駐車場:あり
- 案内板:あり
- トイレ:あり
- 備考:奉納中の巻き込まれによるケガに注意
- 木曽石三吉神社
◆参考資料・文献
- 秋田県立博物館企画展『山と生きる』(令和元年開催))
- 太平山三吉神社HP
-
ダイドードリンコ日本の祭り地域をつなぐ
ジョヤサの響き ー秋田・三吉梵天祭ー/ÅKT秋田テレビ(平成31年1月放送) - 各種説明板
取材日:2019/01/17
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