【みつちゅう】
【文化】
『密鋳銭』のことで、幕府の許可を得ずに藩独自で発行・流通した貨幣。
貨幣製造に必要な銀、銅、鉛の発掘に富む北東北に多かったという。
秋田では、幕府の統制力に陰りが見え始めた文久年間の頃から、幕府の許可を得ずに加護山製錬所などで藩独自で貨幣の発行を始めた。
流通期間は文久2年(1862)から明治3年(1870)までの約8年間ほどで、藩内で使用できる貨幣は約10種類造られた。
【鋳銭の種類】
・銅山至宝
額面:百文銭、五十文銭
材質:銅80%、鉛20%(百) 銅80%、鉛20%(五十)
量目:62g(百)、31g(五十)
鋳造期間:文久2年(1862)~元治元年(1864)
銅8割、鉛2割の配合のため帯灰色が強く、質も脆い。 銅山内使用に限られていた。
・秋田鍔銭
額面:百文銭
材質:銅90%、鉛10%
量目:48~52g
鋳造期間:文久3年(1863)~慶応3年
・秋田波銭
額面:百文銭
材質:銅90%、鉛 %
量目:40~45g
鋳造期間:文久3年~慶応2年
・秋田銀判
額面:一両、二分
材質:灰吹銀100 %
量目:九匁二分34.5g(一両) 四匁六分17.2g(二分)
鋳造期間:文久3年(1863)~4年
純銀に近く、秋田藩の良質な貨幣の代表的なものといわれる。
鋳造地は加護山、院内銀山、藩元と3つの説があ。 一両銀判、二分銀判、二朱銀判の3種類がある。
・秋田封銀
額面:一両、二分、一分
材質:灰吹銀100 %
量目:八匁(一両) 四匁(二分) 二匁(二分)
鋳造期間:文久3年1月~11月
・秋田天保銭
額面:百文銭
材質:銅90%、鉛10%
量目:20~24g
鋳造期間:明治元年~3年頃
・加護山一文銭
額面:一文銭
材質:銅90%、鉛10%
量目:3.5g
鋳造期間:明治初年
加護山一文銭
本座(幕府)亀戸銭を種銭とした模造銭。
加護山で造られたものは銅の質が良かった。
繊字狭文様、細字嵌郭の2種。
・秋田笹一分銀
額面:一分
材質:銅90%、亜鉛10%
量目:9g
鋳造期間:明治2年8月~3年1月
- 加護山製錬所
- a
◆参考書籍・施設
- 道の駅ふたつい 資料展示コーナー
- 加護山製錬所跡
- 各種標柱・説明板
最終更新:2024/10/19
コメントをお書きください