とおりまち としのいち
秋田市大町1丁目 せきや敷地内
最終更新:2024/1/26
- 来訪:享和元年(1801)年末
- 年齢:48歳
- 書名:雪の道奥雪の出羽路
- 形式:日記、図絵
- 詠歌:惜めとも としはいそぎて紅の 花やもみちをかざす市人
真澄の描いた図絵の中で人物主体の絵は極めて珍しい。
真澄記:12月29日
年の瀬に毎日たっている久保田城下の年の市を見ようと宿をでた。
家々の軒端に屋台が並び、日記には商品の詳細が記述されている。
📑 真澄記
⊞ 真澄記・市の商品一覧
●食品(野菜、青果)
・芹、青菜、芋、百合、たがねこ、
・ごぼう、にんじん、ねぎ、大根など根菜
・カヤ、栗、ユズ、みかんなどの果実
●食品(魚介)
・なのりそ(ほんだわら)、あらめ…いずれも海藻の乾物
・鮭のおおにえ(年の神に供える塩鮭)、鱒のあらまき、筋子
・つかふな…海狗(うねお、オットセイ)があさるチカ(ワカサギ)とフナをひとつにしたもの。
・ブリコ、ひろめ(昆布)、からすみ、あわび、紫菜(のり)
●日用品
・あぶりこ(魚や餅を焼く具)、火ばし、たかつき
・折敷、かけばん(食器をのせる具)、
・小鍋、大鍋、小皿、大皿、とっくり、花がめ、皿、壺。
・桶、小桶、手桶、半切盥。
・カゴ提灯、へり(ゴザ)、むしろ
・雪舟木(そりぎ)、そりの爪、雪沓(しんべ、ごんべ)、ぞうり、あとがけ(藁沓のかかとの部分にかけるワラ製の覆い)、乳子ぞうり。
●遊具
・いか(凧)
・鶯笛(ウグイスの鳴音のように鳴る笛)
●正月用品
・小松、五葉松、姫小松
・ゆずる葉、ヨモギ、カヤの葉など供物
・くぼつき(神に食物を供える器)
●古物商の店頭
・煤けた仏像
・釈迦の仏画…『雪山から出てこられたような心地に描かれた』と褒めてるのかよく分からない真澄評。
・錆びた剣太刀
・欠品した弓矢、破損した弓具
これは珍しい売りものだと眺めているとたくさんの人々が市路を群がって帰っていった。
📍 標柱データ
あ
●鰻塚とすりこぎ棒
仕出し屋『せきや』敷地内駐車場に建立される。
塚は海産物の供養と、すりこぎ棒は商売人としての矜持を社訓を掲げている。
- 駐車場:あり(仕出し屋『せきや』敷地内)
- 案内板:なし
- トイレ:なし(せきや店内)
- 久保田城下・長野
- 茶町扇ノ丁
◆参考文献・サイト
- 菅江真澄遊覧記第4巻/菅江真澄 内田武志・宮本常一翻訳
- 国立国会図書館デジタルコレクション
- 真澄紀行/菅江真澄資料センター
- 通町 仕出し せきや(HP)
取材日:2018/10/05
2023/04/18
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